ここから東京駅までは、急いでも30分はかかる。 「まいったな……」 起こそうとは思うのだが、 気持ちよさそうに上下する肩を見ていると、さすがにためらわれた。 おそらく、たまっていた疲れもあるはずだ。 あれから今日まで、 かなり気を張って生活してきたはずだから。 母親を安心させてやろうと、 オレにイイ報告が出来るようにと、 気付かないうちに無理もしてきただろう。