ふわふわした足取りで改札を抜けると、



「眞緒、」



駆け寄ってくる足音に声をかけられた。



「……あれ? おかーさん」


「おかえり」


「え? なんで? 待ってたの?」


「ハルくんが電話くれたのよ。最終に乗せましたからって」


「え?」



……さすがハル兄。


あたしがぼんやりしている間に、おかーさんに連絡入れてくれてたってことか……。



新幹線の中ではあたし、ずっとほっぺばかりさすってたから……。


おかーさんに連絡することなんて、すっかり忘れてた。