「まだ震えてるなぁ。相当緊張したろ?」 「……したよ。……今だって……すごく」 もう、抱っこされて気持ちいいとか、そんな感情だけじゃいられない。 ドキドキして、カラダの奥がぎゅうっと苦しくて。 ……本当に倒れそうだ。 「ありがとな、眞緒」 そんなあたしの耳に、柔らかくて、優しい声。 「だけど……ごめんな。今はまだ、なんて答えたらいいのか分かんね」 頭の先から背中まで、ゆっくり下ろされる温かな手のひらから、 あたしへのいたわりが、痛いくらい伝わってくる。