「ハルくん。いつまでこっちにいるの?」


「うーん、いつまでかなぁ。はっきりとは決めてないんですけどねー。
2~3週間くらい? 通いながらこっちでも就活してみようかと思ってんですけど」



もう4年生のハル兄は、履修のほとんどを終えてしまっていて。


講義も週一だけになってるらしい。



「4年の今頃になっても内定もらえてないって、致命的ですけどね」



ははと笑ったハル兄は、でも、ちょっと苦い顔だった。



もう何年も前から、就職氷河期が続いてるのは知ってるけど。


ハル兄の話を聞いて、現実なんだなぁなんて、ぼんやりと思った。