「おばさんにもヨロシクな」 「うん。バウムクーヘンも喜ぶよ。おかーさん、あたしより甘党だから」 買ってもらった袋を抱きしめて、ハル兄を見上げる。 「口の周りにくっつけたり、噴き出したりすんなよ?」 「しないよ。もうっ」 「今日も牛乳ぶちまけて来たんだって?」 「……そんなことまでしゃべったの? おかーさん」 唇をとがらせてみても。 くすくす笑うその顔を、またしばらく見れないんだと思ったら、急に寂しくなった。