『ちょろちょろ動くなよ? すぐに行くから』 「うん……」 切れた電話を胸の前で抱えて、 あたしは、ハル兄が来てくれるのを忠犬みたいにじーっと待った。 何回も何回も時計を見つめて、 ハル兄に会えることに、そわそわドキドキしながら。