どうして……再会なんてしちゃったんだろう。 再会さえしなければ、ハル兄のぬくもりさえ与えられなければ、 こんな気持ち……知ることもなかったのに。 あたしはその夜、いつまでも泣いた。 丸くなって、声を上げて。 いつまでも、泣き続けた。 胸の奥にかすかに残る、 甘くて苦い香りに……苦しめられながら。