「今日はハルくんの日だよねー?」 「……う、ん」 ハル兄の来る日は、朝からそわそわするけど。 今日は別な意味で緊張していることに気付いてため息を吐いた。 「おやつとかいる? おかーさん、帰りに買ってくるから。またシュークリームがいいかなぁ」 「……何でもいいよ。なくてもいいし」 おやつなんて、どうだっていいのに。 あたしが暗くたって、やっぱりおかーさんは変わらない。 それでいいはずなのに、心に小さな波が立つ。