「……ハル? くん?」



って、ダレ? それ。


そーっと、顔をのぞかせて、痛そうにおでこをさすっている人を見る。


どうやら、さっきの大きな音は、この人の頭に直撃したドアのせいらしい。



「お前なぁ、久しぶりに会って、この出迎えはないだろ?」



ギロリ。あたしをにらむ男のヒト。



「……ひっ」



再びおかーさんの後ろで身を縮めると、



「眞緒? 忘れちゃったの? ハルくんだよ。片平陽斗くん」


「かたひら、はると?」


「そう、ハルくん」


「ハル、くん……」



って、えええっ?!