ぼんやりしたまま部屋のドアを開けて、ベッドにぽすっと腰かけた。



足元に投げだしたカバンから、英語の教科書が飛び出している。



それを見て、自分のアホさ加減にくすくす笑えた。



「……バカだなぁ、あたし。……あの人の言うとおりじゃん」



ハル兄の本来の目的を忘れてた。



あたしのカテキョをやるためにこっちに戻ってきてるんじゃなかったんだ。



出来る事なら毎日教えてもらいたい、なんて。


そんなふうに考え始めていた自分にあきれる。