その叫び声も、たしかに男のヒトのもの。
だけど、目の前に立っていたのは、おかーさん。
ニコニコと、いつもの笑顔で。
「……おかーさん?」
「眞緒ったらー。かわいそうじゃないの~」
そう言って、ドアの後ろをのぞき込んでいる。
「大丈夫? スゴイ音がしたけど」
くすくすと笑うおかーさんの隣から、
「いでで……。笑いごとじゃないですよー」
おでこを押さえて現れたのは。
「だ! やっぱり! さっきの!」
自転車置き場で見た男のヒトで。
「ややや、やだっ! 助けて! おかーさんっ! この人、変態なのっ!」
慌てておかーさんの背中に隠れると、
「眞緒? ハルくんよ、ハルくん」
再び、おかーさんはケラケラと笑った。


