突然、後ろ手に腕をつかまれた。


思わぬ事態に、呼吸が止まりそうになる。



「ごめんね、ちょっといい?」



肩越しに聞こえたのは、高い声。


おそるおそる振り向くと、キレイでお上品って感じの女の人が立っていた。



「は……はい……? なんでしょう?」



女の人とはいえ、突然呼び止められるのはやっぱり怖い。


街灯の下、
あたしはカバンを抱きしめて上目づかいでその顔を見やった。