「あー、食べた食べた。で?」


「アタシの前でシュークリームを奪ってった人、あれさ、アンタの母親でしょ」


「……やっぱりオネエだったんだ」


「アンタに雰囲気が似てたからすぐに分かったわ」


「だから? なに?」


「アタシ今日はシュークリームとパンが食べたいのよ。だから200円」


「あーはいはい。おかーさんが半額のシュークリームを奪って申し訳ありませんでしたー」



100円玉を2枚取り出して、オネエの手のひらにチャラっと乗せる。


指先に赤いマニキュアがしっかりと塗りつけてあって、


いくら貧乏でも、そんなところを手を抜かないっていうのはさすがだと思った。