「泊っていくわけにもいかないしなぁ」



天然というか、ハル兄はきっと、物事を真剣に考えるヒトなんだろう。


それは、授業の進め方でもわかる。


丁寧で、誠実で、優しいから。



「……今日はもう、ベッドに入るだけだから」



困らせるのはイヤだから。


「寝れると思う」、ずっとこうしていたい気持ちを押さえて顔を上げると、



「もう少し……こうしててやるよ」



あたしの頭を元に戻したハル兄は、そのままきゅっと丸まった。