歩きだしたハル兄の後ろを、てくてくとついて行く。



黙ったまま手を伸ばして、ジャケットの袖口をつかまえると、



「どした?」



振り向いたハル兄の眉が、きょとんと持ち上がる。



「……手」


「手?」


「……つながないの?」


「ああ、」



ふっ……と笑われて、さすがに自分の言葉に赤面した。


これじゃ、ホントに小学生以下だ。



「ほら、」



うつむいたあたしの手を、大きな手のひらが包み込む。



「ちっちぇな、眞緒の手」



顔を上げると、陽だまりみたいな笑顔がそこにあって。



そう言えば、


ハル兄の名前には「陽」って字が入ってたなぁ……なんて、ぼんやりと思った。