滝までの道は緩やかなほうだから、息も上がらずに着くことができた。 「おおー、マイナスイオン~!」 水しぶきの前で両手を広げたあたしを眺めて、ハル兄が満足そうにほほ笑んだ。 「たまにはいいだろ、こういうのも」 「うん。癒される~。水と緑のパワーってすごいね」 「土と空気のにおいもいいし」 「うん。最高」 「オレも久しぶりだわー、こういう場所。気持ちいいなー」 「気持ちいいねー」 ふたりでアホみたいに深呼吸を繰り返していると、 笑ってるみたいな鳥の声が、木々の間でこだました。