「ハル兄こそ、足ひっぱらないでよねっ」 思わずムキになって言うと、 「お、強気だなー」 ジャケットをつかんでいた手を外されて。 「でも、こうしてないと心配だ」 「え?」と思うより先に、 きゅっとつながれた手のひらから、熱が広がっていく。 「よし、行くぞー」 「……」 すっぽり包まれた手と同じくらい、顔が熱いのに。 あたしは、なぜか、その手を振りほどけなかった。