「じゃあ、出発」 着いたばかりなのに、ハル兄がヘンなことを言った。 「出発? 到着でしょ?」 「遊歩道を歩くんだよ。山の中のな」 「ああ、橋を渡って歩いていくと、途中で神社のあるところ?」 「そうそう。よく覚えてるな」 その道は小さいころにも歩いたから、ちゃんと覚えてる。 たしか、神社の周りにはお地蔵様がずらっと並んでて。 それがちょっと怖かったから、よけいに記憶が鮮やかだ。