君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「好きになった?」

「違う、、、と思う」


思うだけか、、、つまりはお気に入りを見つけた程度なのか?

江口はいっつもはっきりしない。

今までの経験から、恋に踏み込めない人格になってしまったのかもしれないな…


「明ちゃんっていう子で、すごく…綺麗な女の子だった」


思い出すようにまぶたを閉じているその顔は、やっぱりまだほんのり紅くて。

俺はやっぱりにやついてしまう。


「その子が、いたんだ」

「どこに?」

「昨日の店に」

「え、スタッフ?」

「うん、ほら…酔っぱらいにキレてた子」


あぁ!確かにスラッと綺麗系だったような…。