君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「確かにそれは感じるよな」

ボーカルの木田さんがつぶやく。


「てゆうか、江口に群がる女が気にくわねぇわ、あははは」

小林さんは豪快に笑いながら言う。


「外見だけは、いいっすからね」

俺も参戦。許せ、江口。


楽屋で別れる江口と、明日は打ち上げの夕食をすると約束して、俺達3人は裏口から帰って行った。

予想通り、見送りがズラリ。
一番奇抜な格好をしているはずの俺達がビビる程の勢いで囲まれる。

警備員さんになんとか通してもらって、俺達は小林さんの車に乗り込んだ。

「「「こえー、、、」」」


俺達の乗車一番の言葉は、見事に1つにまとまった。