「泣きすぎ」 「うん」 「可愛すぎ」 「ううん」 なんで、こんなに落ち着いてしまうんだろう。 「恥ずかしいの?」 「…うん」 「キスしかできないじゃん」 「しかって何…」 てか、まずキスも恥ずかしいんですけど。 「教えない」 「ふぅん」 ようやっと、涙がひいてきて、化粧してたんだっけ、やらかした…とか思う余裕が出てきたところだった。 「せっかく手に入れた女の子泣かせんなよバカ」 さっきまで頭上のスピーカーから聞こえてきていた、心地のいい声が聞こえてきた。