君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「俺は、ずっとこんな気持ちだった。『たぶん』明ちゃんのことが好きで、『もしかしたら』明ちゃんも同じなんじゃないか。って」

「自己中だ」

「ほんとに、ねぇ」


涙が…目の前が、揺れる。


「明」

溢れる。

「好きだ。今こそ本当に、心から」


頷くことしかできなくて。
周りには、他のお客さんも、サラさんもいるのに。
ひたすら涙をぬぐいながら、一生懸命頷いていた。


「次は、明ちゃんの番だ」

このオトコ、ここまできてまだ、あたしの言葉を求めてくるのか。

出会ったばかりで。
こんなに自己中で。
わけわかんなくて。

でもね、そんなあなたが、苦しいくらいに…
どうしようもなく…笑ってしまうくらいに…