「コバさんのサインがほしくて!」
こ…コバさん?
意外な名前に、あたしはつい二人で並んでいるところを想像してしまった。
「あぁ、言っとくよ。あと、トウマに無理いって、悪かったね」
緊張が一気にほどけたのか、江口さんも口を開く。
「いえいえ!じゃああたし、荷物取ってくるのでまた!あ、エグチさん、トウマの部屋は…」
「聞いてる」
「了解です!じゃ!」
走り去った灯歌ちゃんを見ながら思ったことは…
「走り方がアスリートだな…」
「そうですね…」
あたしたちは、灯歌ちゃんの用意してくれた部屋に入った。
一式の寝間着のようなものは用意されている。
「風呂入って、寝てていいよ」
「江口さんは?」
「俺はトウマの部屋に行くから」
おやすみ、、、
そう言って、江口さんはあたしの髪をすいてから部屋を出ていった。



