君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「やだもう、恥ずかしいなぁ…あたし、孫灯歌って言います!今日の、DJの姪です…」

「あ、あたしは、大槻明です」

…いや、被せたわけでなく、メイだし。


「そう!明ちゃん!」

はっと思い出したようにあたしの両手を握る灯歌ちゃん。

「あのね、トウマは知ってるよね?さっき連絡があって、明ちゃんお着替え無いって聞いたもんだから…」

…あ。きっと、江口さんだ。

「あたしので良かったら用意できるの。その間に、ずっと起きていたでしょう?部屋も、はいこれ!303号室だから、仮眠とって」

渡されたのは、部屋の鍵。
すごく、突然だけど、不思議と嫌な感じがしない…なんかこの感じ、江口さんみたいだな。

「あ、うん、ありがとう…そう、させてもらいます」

とりあえず、江口さんを待ってから…