君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




ホテルのエントランスは、暖色のソファや照明も手伝って、寒い外の空気から離れた空間になっていた。

とりあえず、江口さんを待つのに、ソファの方へ足を運ぶと、、、


「あ!」

え?大きな声で驚かれて、こっちが目を丸くしてしまう。

「あの、えと、今日ライブにいた?」

「あぁ、trapの…ライブで…?」

どこかで、聞いたような、明るくて芯のある声。
ライブ会場で…

「あ!」

今度はあたしが声をあげる番だった。

「DJの!姪っ子さん?!」

ぱっと目をあげたかと思うと、一気に赤くなる目の前の女の子。
同い年、くらい?