君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「ちょっと」

柵に手をかける彼女の手をつかむと、その瞬間びくっとなったのがわかった。


「悪いことってわかってんなら、ルールくらい守ったら?」

…マナーのない人にファンになられるtrapがかわいそうだし。


「うるさいわね、なんなのよ!」

あ、言っちゃってた?

でも本当のことじゃない?


今度はあたしを無視して、また柵を乗り越えようとするその人。

あたしの止める声も聞かずに、とうとうステージにたどり着いたその人に、ようやく本人達も気づいたようだ。