君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「だから言ったじゃん…」

…ムカつく自己中じゃないって。


爪先でとるリズムは、やっぱりくるうことはなかった。

江口さんがエグチさんでも、やっぱり好き。

自然と涙が出てることに、あたしは気づいていなかった。


ただ一つ、この一曲目を選んだのが、江口さんでありますように。

あの日、車で聴いた…あたしの好きな海の歌。

キダさんの声に合わせた、個々の楽器がまるで波のようで。

あたしはただ、願っていた。

江口さんでありますように。