君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「あ!大槻!」

「あ、広瀬さん」

あたしに声がかかっただけなのに、ばれると思ったのか緊張したのか、江口さんの手に力がこもった。


「また会いましたね」

「おう、、っと…どうも」

広瀬さんの視線は、あたしよりずっと高いところに注がれていた。

「どーも」

「なに急に怒ってんですか江口さん…あ、」


ヤバい!言っちゃった、、、

「あんた、またうちの店来てね!…trapの江口さん」

最後の方は、周りの音にかき消されてしまうほど小さく、広瀬さんも気を遣うことを覚えたようで良かった。