そんなあたしの頭に、なにか温かいものが触れた、、、 何だろうと思って少し上を向くと、それはえぐちさんの手のひらだった。 「正樹、紹介ありがとう。俺は、江口奏(エグチ カナデ)。ちなみにどっちかと言えば好みは明ちゃんかな」 あはは~と笑う江口さん。 いや、冗談でもやめてください、さらにその手を離してください。 「江口さんは俺の先輩なんだ!ドラムの師匠」 「trapの演奏で、明ちゃんが俺のリズムにぴったり合わせてくれてたから、気になったんだよね」 ……あ、あれ? 見えてたの…?