好きで好きで、いつの間にか今までの恐れすら忘れるほどに好きで。 大事にしようと思った女を。 俺はこの手で守りたい。 「大槻は俺のもんだ!」 「…ざけんなよ」 若いって素晴らしい。 何度空振りしようが、何度でも繰り返し拳を飛ばすことができるんだから。 俺は、それをよけつつ、すきを探す。 一発。 俺の口元をかすって痛みを与えたことに喜んだのか、早坂は一瞬口角を上げた。 …今だ。