俺は弾かれたようにバイクから飛び降りた。 …ちくしょう! 不気味な笑いに歪む、おそらく明ちゃんの元カレだと思われる男の目が、俺を捕えたその瞬間…俺は拳を振り上げていた。 ───バキィッ…!!! 普段は、例えどんなにムカついたとしても、ドラムを叩くこの腕を武器にしたりはしなかった。 それが俺のポリシーでもあったから。 でも、、、こいつだけは。 明ちゃんを深く傷ついたこいつだけは、、、 「…許さねぇ」 誰にも聞こえないような声で。