「あれ、正樹じゃん」 出席すべき講義を終え、今から練習部屋…と呼んでいるスタジオに向かうところで、門柱のわきに立つ正樹を見つけた。 「江口さん、今日暇っすか?」 「うん、暇」 なんで、こんなこと聞くんだ? バンド以外暇人だってことくらい、お前も知ってるだろうが。 「あの、今日食事行きませんか?大嶋さんも誘ったんですけど…」 「あー、俺は」 …いいや。と言おうとした瞬間。 「あきらのバイト先なんすけど!」 「行く」 に決まってんだろ! もしかして、正樹、気付いてるのか?