君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「大槻と話したくて」

「あたしは話したくない」


あたしは、サッと目の前に立つ男を避けて、駐車場までのスロープを掛け降りる。

もちろん階段もあるんだけど、階段を上ったところに邪魔者がいたものだから、避けた先にあるスロープをそのまま、、、ってわけで。


「おいっ」

あいつが追いかけてくる。

駐車場に見える、おっきなハーレーまで、もう少し…


「…痛っ!」

「手間かけさせんなよ、大槻」

「手間かけろなんて言ってない」

…どうしてだろう、昨日はあんなに余裕で、冷静だったのに。

今日はこんなにも怖くて、震えが止まらない。