君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




車に戻って、暖房をつけておくように言われたあたしは、ドラムセットを片付ける江口さんを置いて、黒いX-TRAILに戻った。


キーは無駄にシンプル。

1つだけ、金の針金でつくられたような音符のキーホルダーについていた。

…これ、どっかで、、、



車に乗り込むと、運転席に身を乗り出してキーを差し込む。

ただ、この作業がなかなか難しくて、結局、運転席に乗り直してエンジンをつけた。


暖房をつけると、もう一度助手席に戻って、江口さんを待ちながら携帯を取り出した。

…メール来てるの、気付かなかった。