「別れよう」
たった今1年続いた彼に別れを告げられた。
宗太は最近通い始めた塾が忙しいのかなかなか連絡がとれなかった。
塾に通い始めてからなんとなく様子が変で、
そのことで私から電話をした。
そしたら言われたのがこの言葉。
私は当然のことながら意味がわからなかった。
「なんで?」
「ごめん。」
「いや、ごめんじゃわからないんだけど…」
「ごめん、好きな人ができた。」
やっぱり…。
最近なんとなく様子がおかしかったのはこのせいか。
最初は特に引っかかりはなかったけど
メールもしなくなって、
塾が終わった後に来てた電話もこなくなって、
ついには会ったときに目も合わせなくなった。
「亜希?」
「え、あ…ごめん
それって塾の人?」
「……うん」
いつから?なんて聞かなくてもわかってる。
塾行き始めてから様子がおかしくなったから。
「わかった。」
「本当にごめん。今までありがとう。」
「うん、じゃあバイバイ」
「うん」
プツッ ツーッ ツーッ
電話を切った後はむなしい電子音だけが響いてた。
