「どうしたの?」
黙り込んだあたしを
不思議そうな顔で覗く。
「べっ・・・別に?
そうだ、あたし・・・そろそろ帰る。
貴方も帰ったら?」
あたしはこの男・・・摩裂が帰らなきゃ潜れない。
「・・・そっか、わかった。
明日も、居る?・・・此処」
摩裂は少し淋しそうな顔をした
「・・・うん、来るわ」
あたしはつい、そう約束をしてしまった。
「!
じゃあ明日も待ってる!じゃあね」
摩裂は嬉しそうな顔をして、手を振りながら
暗闇へ消えていった。
さっき感じた摩裂への
“怖い”
感じ・・・
突然居なくなっちゃう様な
消えちゃう様な
そんな感じ。
その時あたしが感じた
摩裂への恐怖
それが間違いじゃなかった事知らずに
毎日会い続けて
一年が経った。

