しばらくし、涙が止まり笑顔で母に言った。
 
「怒鳴ってごめん。今回はあきらめる。。。
まだ、チャンスがなくなったわけじゃない。まだ、高校1年だから来年必ず、やりとげるよ。・・・ありがとう・・・」

精一杯の強がりだったが、16歳の子供なりに二言はないと心に誓っていた。





 それから、5か月ほどが過ぎて、季節は春になっていた。
この5ヶ月間、動けない事に対しての苛立ち、ボクシング部の中で一人取り残されているのではないかという不安、様々な思いに悩まされていた。

 ただ、その動けない期間が私の傷を完治へと導いた。

 傷が完治し、リハビリを開始した時、自分の体の力なさに驚いた。