「やっと着いたぁ…」

あの後、お姉ちゃんを振り払ってあたしは

1人で校舎に向かった。

…てかこの学校広すぎやん。

1人廊下をさまよいながら自分の教室を探す。

「1-A…1-A…」

周りを見渡していると「1ーA」の文字を見つけた。

「あった!」

教室のドアをゆっくり開けあたりを見渡す。

ほとんどが来ている状態で人が結構居た。

あたしは自分の机を探し、席に着いた。

周りはすでに〈グループ〉とやらが出来ていて

仲良く話しこむ子たちが点々と居た。

・・・はぁ。あたし友達出来んかったらどうしよ。

うつむき寝ようとした瞬間、後ろから肩を叩かれた。

振り向くと、

「あたし、石川知里。良かったら友達にならへん?」

彼女は人なつっこい笑顔を仕向けてくる。

「水川千咲!よろしくなぁ」

先生が来るまであたしと知里は話した。

お互いの中学校の話、部活、恋。

知里は中2の時から続いている1個上の先輩と

付き合っていると言っていた。

あたしは素直にうらやましかった。