【短編】瞳




て……

え? 何?


何で泣いてんの?
なぁ、桜田?


瞳にいっぱいの涙を溜めて、それが一粒一粒零れ落ちる。



「別に私の事なんて……元々興味ないもんね」



哀しげな笑顔でそれだけ言うと、教室から飛び出して行った。



何だよ……。
興味なくなんかねーよ。


くそっ!


その場にあった机を蹴飛ばし、椅子に座った。




少し落ち着いて、瞳に入る桜田の鞄。


気が付いた時には、桜田の鞄を持って後を追い掛けた。