こんな事ばっかり考えてたら、視界が歪んできた。

やっぱり、馬鹿なのかも。
こんな事で自信なくしちゃって。
しかも涙まで出てきちゃうなんて。



「おい、泣き虫」

「ふぇ?」



後には、大好きな矢野君の姿。
驚いて変な声で返事をしてしまった私に、矢野君からは笑みが漏れてた。



「何で先帰んの?」

「え? 何で……?」



何で、ここに矢野君が居るの?
原田さんは?
一緒じゃないの?

キョロキョロと辺りを見回しても矢野君しか居ない。



「は? 俺が聞いてんだけど?」

「原田さん……」

「あぁ?」

「原田さんと……矢野君の方が……似合ってるよ……ね?」


違う。
思ってないなに、そんな事。
言いたくない事まで口にしてしまった。
言わなくていい事を口にしてしまったの。


だって……


周りは。矢野君は。
そう思ってるのかな? って。

矢野君も原田さんの方がいいんじゃないかな? って。