【短編】瞳



あいつ足早ぇし。


走って行った方を必死に捜すのに、こんな時に限って見つからない。
どこ行ったんだよ?



はぁはぁ……息切れしながらも、辺りを見回す。




あ……居たっ!


「はぁ……さく……ら」


息切れして上手く喋れねー。
だせーな。



「……っ…あは……告白する前に……
くっ……振られてるし。
好き……言って……ない」




え……?

告白……?

俺に……?

好き……?


まじで?

俺の事を思って泣いてんの?



うあ…やべぇ。
まじ嬉しいんだけど?


顔が熱くなり、思わず口元にやる手。
触った顔が熱い。




「勝手に……はぁ……泣いてんじゃねーよ……はぁ……」



あんま嬉しくて。
可愛い事、言うから。
また我慢出来なくなって。


後から抱きしめてた……。