【短編】瞳




こんな時、准は上手いなぁって思う。

俺も、波も喜ぶ言葉をくれる。



頷いた俺は、桜田のところへ向かった。


少し離れた場所からでもわかる位、少しの水にちょっとずつ手をつけてる。



「ちゃんと冷やせよ」



そう言いながら、手を後から掴んで流れ出る水につけた。

んな、ちょこちょこつけても意味ねーし。



「お前さー、トロイよなー? あ……今回は、鈍臭いのか」

「どっ……鈍臭くな…くないかな?」

「ぷっ! 認めた」



どう考えても鈍臭いし。
あ……言い過ぎた?



ん?痛いのか?
俯いたままだし。



てか、んとに小せーなぁ。
俺と水道の間に、スッポリ入ってるし。


……抱きしめてーな。



だー!
駄目だ。

さっき最悪な事したばっかだった。