『「がーくぅー?」』

「うぉっ?!」

「何ボーっとしてんの?」



話してた事を忘れてた。

あいつの名前が出ただけでこんな事になるなんてだせぇ。



「あぁ……わり」

「まーいいや。だから学も予定空けてね」

「予定入ってても断れよ」



おいおい。


俺を指差し決め付けた言い方をする。

俺の予定は最初から無視な訳ね?



「学の為に、絶対来ないだろう妃芽を呼ぶんだからね?」

「わぁーったよ……」



こいつ等に、好きなの何でバレたんだろ?

1番バレたくない相手だったんだよな。



「赤くなっちゃって可愛ーい」

「可愛ーい」



ほら……茶化されるし。



「……でも准…きもい」



波の隣で泣くふりをする准を無視した。
いちいち、構ってらんねーからな。


立ち直りの早い准は、



「でもさ……妃芽ちゃん、どーやって誘うの?」

「誘わないよ? 強制」



《……波、恐ぇー》

准の顔からも同じ事を、思ってるんだろうなとわかった。