【短編】瞳



男の子は、隣の准君の家にお泊まりらしい。

家に入った皆を見送り、



「じゃ、すぐ戻るねっ」

「妃芽気をつけてね?」



心配する波ちゃんに、大きく頷いた。


よしっ! 急ごう!

少し歩き、走り出そうとした、その時……。



「おいっ」

「え? 矢……野君?」



何でいるの?



「一緒行くわ……コンビニも寄るし」

「え? 准君家は?」

「行く。お前、また波ん家、戻るんだろ?」

「戻る……けど?」

「なら大丈夫だろ」



へ?
大丈夫って?


私の事、送ってくれるの?何で、そんな面倒な事?


コンビニなんて准君家のそばにあるのに。