【短編】瞳





その顔を見て、私は赤い顔でコクリと頷いた。




……好き。



そっか私、
矢野君の事。



好きだったんだ。



「な……波ちゃん」

「泣かないのー。素直な気持ち伝えてみたら?
夜は、花火もあるしね♪」

「そそそんなの無理だよ」

真っ赤な顔に涙がいっぱい溜まる瞳。


「真っ赤になって。
じゃ……少し話すとこから初めな? ねっ?」



クスクス笑いながら私の頭を優しく撫でた。



なんて波ちゃん言ったけど。

好きー……って気付いたら余計に瞳見れないよ。



そんな中始まった花火。



「はい、妃芽ちゃん♪」

「ありがとう、木下君」



木下君から受け取った花火をしながら、
花火してていいのかな?
と思った。


砂浜では、矢野君が他の女の子には笑いかけてる。