「そういう二宮はどうなの?」

「俺?
俺はモテるからなー」

「うわ、自分で言う?」

「だってほんとのことだし?
葵衣と違って顔も良いし」

「ほんと嫌味だよね」


ほんとに二宮はモテるから、
なにも言い返せない自分が悔しい。



食べ終わってからも二宮と喋っていると、
クラスの男子が近づいてきて、二宮にこう言った。


「鈴木さんっていう女の子来てるぜ?
お話があるんだってよっ♪」

ニヤニヤと笑っているのを見ると、きっと告白なんだろう。


「んー。すぐ行く」

「相変わらずおモテになるようで、うらやましいぜ」

「まーね」

二宮は平然とした顔で答えた。



「行かないの?」

その男子が離れていってもなかなか席を動かない二宮を不思議に思って尋ねると、
「行くけど」
と曖昧な返事が帰ってきた。



「二宮ってほんとにモテるね」

「なに?気になる?」

二宮が得意のニヤケ顔をした。

「はぁ?何言ってんの。
待たせてるんだから、早く行きなよ」


あたしがぶっきらぼうに言うと、
二宮はちょっとムッとした表情で席を立った。

でも、去り際の二宮に
「一緒に食べてくれてありがとう」
って言ったら、すぐにご機嫌な顔になった。



本当、わけのわからないやつ。