リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「なんだと」

「もしそうだとしたら、まず彼の策略に気がつくわ」

 と、ベリルを示す。

「見た処、彼はとても大人しい性格のようね。逆にあなたはとても好戦的」

 エオスはそうして、レクシュに向き直り口角を上げた。

「残念だけど、あなたは英雄を生むきっかけに過ぎない存在だったのよ」

「! どういうことだ」

 ベリルが声を荒げた。

 エオスは次にベリルに向き直り、その答えを告げた。

「あなたには英雄としての素質があった。けれど、その温厚な性格ゆえにその素質を眠らせたまま生涯を終えるハズだった」

 しかし、それを運命は許さなかった。

「俺は……ただの捨て石だったというのか!」

「あら、捨て石も大切なのよ。きっかけを生むものなのだもの」

「ふざけるな」