リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 彼女は女性。

 男のように放浪する事は出来はしない……

「!」

 ベリルは何かの気配に身構えた。

「……そうか」

 この丘は結界の外に位置しているようで、モンスターの気配が遠巻きにだが感じられる。

 クスクスクス……

 背後から女の微かな笑い声が聞こえた。

「?」

 振り返ると、そこにいたのは見覚えのある女。

 エリスか?

「……」

 ベリルは、優雅に腰をくねらせて近付いてくる女を見つめた。

 ウェーブを描く透き通るような緑の髪と銀の瞳は、確かに町で見かけた姿だが──ベリルはその雰囲気に眉をひそめる。

 エリスは力を持っているとはいえ、人間だと確信した。

 だが、目の前にいる女は人とは呼べる存在ではない。