リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 そのせいかどうかは解らないが、この町の人々はむしろエオスを嫌っている。

 時折、訪れてくる彼女を煙たがっているらしい……という話を別の町で聞いていた。

 彼女が何故、町に顔を出すのかは謎だが。

 まだその罰は続いていて、好みの男を探しているのだろうか?

 そこの部分は憶測にしか過ぎないがベリルの考える処では、エリスは彼女の姿を重ねられているのだろう。

 エオスへの嫌悪や怒りが入り交じり、それがエリスに向けられている。

 そして、エオスへの感情から神の力を嫌っているのだ。

 力を持つ。という事は、自分たちとは異なる──それを異質だとした。

「クク……」

 ベリルは絞り出すように笑う。

「なんとも解りやすい」

 この町に英雄は必要ない。

 それほどに平和なのだろう。

 外にはモンスターが徘徊し危険は変わっていない。

 なのに何故この町は平和でいられるのか?

「決まっている。エオスだ」