のんびりと旅をして幾日が過ぎた。 目的の町まであと少し…… 「!」 満月の明かりの下、遠くの丘に1つの影が浮かんでいた。 「……?」 遠目でベリルは目を細める。 どうやら女のようだが、すっぽりと黒い布に体を包んでいてそれ以上はうかがい知れなかった。 「!」 相手もベリルに気がつく。 彼の姿を見つけた途端、素早く逃げ去ってしまった。 「ふむ……」 町までもうすぐという処で湖を見つけ、その傍で夜を明かした。